忘れられない…… 悲劇映画のような 香川マンチェスターユナイテッド物語 ②
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ついにマンチェスター ユナイテッドにあの男がやってきた、、、、、、。
デイビット モイーズ
伝説的監督アレックスファーガソンの跡を継いでマンチェスターユナイテッドの監督に就任したこの男は、ただの監督ではなかった。
彼は就任と同時にまずチームの補強に手を付ける。連れてきたのは二人の選手だった。
一人目、マルアン フェライニ
彼はモイーズの元いたチーム、エヴァートンより信頼できる教え子として連れてこられた。フェライニの特徴は、とにかくデカいということである。身長は194㎝。
後のロシアワールドカップであの悲劇のベルギー戦、ヘディングで同点弾を決めたのもこの男である。
【ロシアでの感動再び#4】日本代表vsベルギー代表 歓喜と涙のラウンド16 決勝T ロストフの14秒 日本語実況
長いですが是非この試合はご覧ください
ロシアW杯 もう一度見たい劇的勝負 日本VSベルギー 音量MAXでちょうど良いです World Cup JAPAN VS Belgium
忙しい方は短いのをどうぞ
もう一人は、ファン マヌエル マタ
当時世界のサッカー戦術の最先端を走っていた、スペインの選手。足元の技術に優れ、インテリジェンスに溢れ、短いパスをつないでいく現代サッカーを完全に理解していた。
香川と特徴、ポジションが被る選手だ。
①に書いた通り、ファーガソンはマンチェスターユナイテッドを、香川真司を使ってイングランド式原始サッカーから現代サッカーへ変換することを望んでいた。
マタを補強したとき、マンチェスターユナイテッドのファンは、「ああ、ファーガソンの跡を継いで、モイーズも現代式サッカーへの切り替えを目指しているんだな。来シーズンが楽しみだ。」と誰もが思っていた。
シーズンは始まった。
そこでマンチェスターユナイテッドのサポーターが見たものは、
以前より酷く原始化したマンチェスターユナイテッドの姿だった。
モイーズの志向したサッカーは、長いボールを蹴っ飛ばして足の速いやつに走らせる、超原始サッカーだったのだ。
具体的には、サイドの選手に走らせて、相手ゴール前にクロスを上げ、フェライニに頭で押し込ませることを軸に据えたチームだった。そう、超脳筋サッカーだ。(脳が筋肉でできている。)
インテリジェンスに溢れ、細かいステップと短いパスでチームにリズムを与えることのできるはずのマタが、左サイドを爆走させられていた。フェライニにクロスを上げるだけのマシーンと化していた。
そこに香川の姿はなかった。
当然だ。香川が得意なのは現代式サッカーだ。サイドを爆走しクロスを上げることではない、足より頭を使うのが彼のやり方だ。
確かに、モイーズは元居たエヴァートンでこのやり方のサッカーを志向し、成功させていた。
しかし、ファーガソンが26年間やってきたことを捨て、27年目にして時代に追いつくためにやり方を変えたように、モイーズもそうしてくれるはずだとサポーターは思っていた。
しかし、彼は名将ファーガソンとは違った。自分のやり方を変える勇気を持たなかったのだ。
その上、彼は自分の間違いを認める勇気も持ち合わせてはいなかった。
もともとファーガソンが現代的サッカーを志向しだしたのは、このままでは勝てなくなると予想したからだ、そこにモイーズがやってきて原始的時代遅れサッカーに戻す。
起こることは明白だ。
マンチェスターユナイテッドは勝てなくなった。
去年優勝したあのマンチェスターユナイテッドは、モイーズの就任と同時に勝てなくなったのだ。
それでも、モイーズはやり方を変える気はなかった。
あまりにも無能だったので、ネットではモイモイというあだ名をつけられ、ネタにされ始めていた。
当時の反応
blog.livedoor.j
samuraisoccer.doorblog.jp
悲惨さが伝わってくる。
マンチェスターユナイテッドで香川の姿を見る機会は激減した。
香川とモイーズ
香川はチャンスを与えられることもほとんどなかった。それでも、、、、、、、
昨シーズンを知っているサポーター、ファンは主張し続けた、「香川を出せ。」「彼の力を借りろ。」
世界中からその声は届いた。
少しづつ状況は変わりつつあった。
レアルソシエダ戦では、モイーズ下初のフル出場を成し遂げた。この試合で彼は、モイーズのサッカーではなく彼のやり方で自分の実力をアピールし続けた。
香川真司がレアルソシエダ戦に先発 タッチ集まとめ Manchester United vs Real Sociedad
泣ける。
その後、少しづつだが香川がマンチェスターユナイテッドの試合に現れ始める。
しかし、やり方の本筋が変わることはなかった。そのシーズン、マンチェスターユナイテッドが上を向くことは、、、、、、無かった。
とうとうモイーズは解任された。マンチェスターでの彼の生活は一年と続かなかった。ファンは大喜びだった。
しかしもう、マンチェスターユナイテッドに香川真司の居場所はなかった。
2014年8月、香川は古巣ドルトムントに戻った。香川のマンチェスターでの挑戦は、ここで幕を閉じる。
ファーガソンが辞めなかったら、モイーズが反省という言葉を知っていれば、、、、、香川真司は今頃世界トップのスーパースターだったかもしれない。それだけ才能のある選手だ。
そんな香川真司の次の挑戦
昨日、2019年8月10日、香川真司がスペイン2部レアルサラゴサに移籍することが正式に発表された。
彼がマンチェスターユナイテッドに来た時、23歳。今、香川真司は30歳。
香川真司は天才だ、まだまだやれる。
香川選手の素晴らしいプレーをこれからも楽しみにしています。
完
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