高貴な桃太郎 第3話
出掛け際、おじいさんとおばあさんは言った。「このきびだんごを持ってお行きなさい。」桃太郎は言う。「なんとありがたい、しかし私には必要ありません。世界にはもっと飢えている人がいる、アフリカにでも送りなさい。」おじいさんとおばあさんは引いた。
そして旅立った桃太郎、ボロ雑巾のような布一枚で歩く彼を見て、人々は悪口を言い石を投げた。
「世の人は我を何とも言わば言え
我がなすことぞ 我のみぞ知る」
道中、彼は犬と出会う。曰く「桃太郎さん桃太郎さんお腰に付けたきびだんご一つ私にくださいな。」
桃太郎「私の腰には何もない、お前には何が見えている、いやしいものめ。そのいやしさこそが世の不平等、苦しみの根源なのだ。そこへ座れ」
桃太郎は長々と説法をしました。いつしかその前には大量の犬が座っておりました。